安心して不動産売却をするために「インスペクション」の重要性が高まっています。
けれど、具体的な内容や費用などがよくわからないという人も多いはず。
そこで今回はインスペクションとは何なのか、メリットや費用についても解説します。
不動産売却時のインスペクションとは?
インスペクション(inspection)とは、英語で「調査・検査」を意味する言葉です。
不動産売却時の「インスペクション」とは、専門家によっておこなわれる住宅診断のこと。
政府が既存住宅の流通を活発にするために作った政策で、売却する不動産の状態や欠陥が無いか、メンテナンスが必要な部分がどれくらいあるかがわかります。
主に不動産の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について調査します。
構造耐力上主要な部分とは、「基礎や床版、壁、屋根版」、雨水の侵入を防止する部分は「外壁、開口部、屋根」などです。
売却前にインスペクションをおこなうことで、雨漏りやシロアリによる床下の腐食や家の傾きがわかり、住宅としての品質があるかの判断基準になります。
不動産売却におけるインスペクションにはどんなメリットが?
1つ目のメリットは、不動産の価値を高められることです。
インスペクションに合格している物件は、買主が安心して購入できます。
物件の劣化状況を把握できるので、調査の結果がよければ物件の価値を高まります。
2つ目のメリットは安心して不動産の売却ができること。
中古住宅の場合、売主がどのような使い方をしてきたのかによって建物の状態が変わるので、築年数だけでは判断できません。
インスペクションを実施して建物のコンディションがわかると、不安要素がなくなり安心して買えるので、スムーズな売却につながります。
3つ目のメリットは不動産売却後のトラブルを防げること。
中古住宅の売買では引き渡し後物件に問題が起きた場合トラブルになるケースがあります。
売却した不動産にもし瑕疵(欠陥や傷)があった場合、「瑕疵担保保険」に入っていると売主が負担する損害を保険で補えます。
この「瑕疵担保保険」に入るにはインスペクションの合格が必要です。
不動産売却におけるインスペクションの費用はどれぐらい?
不動産売却の際、インスペクションをするためには費用がかかります。
売却する不動産の延べ床面積や診断の内容によってインスペクションの費用は異なりますが、平均の相場をご紹介します。
●基本料金:4.5~6.5万円
●オプション:1~8万円
●報告書作成料金:1万円
インスペクションの基本料金に含まれるのは「構造」と「雨漏り」の調査のみ。
売却する不動産の床下や小屋裏への侵入調査などを実施したい場合はオプションの費用がかかります。
調査結果をまとめた報告書は別料金としている業者もあります。