この記事では不動産売却で考える人が多い「分筆」とは何かをご説明します。
1つの土地に見えていても「公図」を確認すると実際はいくつかの土地に分かれていたということもあります。
そのため、土地の一部を売りたいと考えている人はこの機会に土地を分ける方法や注意点を知ってください。
不動産売却をする際の「分筆」とは?
まずは「分筆」の意味について。
分筆とは1つの土地をいくつかに分けることを指します。
土地を分ける目的は、たとえば相続により親から受け継いだ土地を兄弟や親せきで分けて売却するためです。
分筆と混同されやすいものが「分割」で、分割は1つの土地に複数の所有者を登録すること(不動産登記)をしなくても良い土地の分け方です。
しかし、土地を分けるには決まった方法や流れがあり、注意点もあります。
不動産売却で分筆する方法
では、実際にどう土地を分けるのかについて見ていきましょう。
不動産売却のために土地を分ける際は、必要な書類を複数用意することから始めます。
そして1つの土地を分けるために隣の土地との境界線を把握しておくことも必要です。
この際に隣の土地所有者さんと現場に立ち合ったり、役所の人に立ち合ってもらうケースもあります。
また、境界線の認識ずれにより隣の土地所有者ともめてしまうケースも否めません。
しかし、一つひとつの工程をていねいにおこなえば心配無用です。
次は土地を分ける流れを見ていきましょう。
不動産売却で分筆する流れとは?注意点も
最後に、不動産売却で土地を複数に分ける流れと注意点も確認しておきましょう。
実際の流れとは?
土地を分ける手順は以下です。
●まずは登記簿謄本、公図、測量図などを使って事前調査をおこなう。
●その後は該当の土地の境界線がどこなのかを土地家屋調査士に頼んで確定させる。
●「土地分筆案」を作成する。
●隣の土地所有者さんに立ち会ってもらい該当の土地を分けることに同意してもらう。
なお、土地分筆案を作る際は、後に使うことを考えて土地家屋調査士に頼むと安心です。
注意すべき点
土地の所有者として複数を登記した場合、後になってから土地の管理で苦労したり、住所変更登記をすることがあれば費用が発生しますので、これらの点を注意しましょう。
また、業者に土地の測量を頼む前に「測量図」があるか探すことも大切です。
測量図が見つからなければ法務局に行けば取得できます。
この図面があれば土地境界線も一目瞭然のため、まずはどこに保管されているのか探してみましょう。
役所の担当者さんに現場立ち合いをお願いするケースは土地の前にある公道が県道や市道の場合ですので、当てはまる土地は少々手間が増えることも覚えておきます。