空き家の火災が世のなかでも問題になっており、「誰も住んでいない実家があるが大丈夫だろうか」という声を度々耳にします。
一方で、なぜ誰も住んでおらず、火の気のない家から出火するのだろうと疑問に感じる部分です。
そこで今回の記事では、空き家からの出火原因と、空き家を火災から守る対策法について解説します。
空き家の火災原因1位はなに
空き家からの出火原因の1位は、20年連続で放火がトップとなっており、過去の消防庁のデータでは、平成29年には1,050件、平成30年には776件の住宅が犠牲になっています。
さらに、原因が定かではない「放火の疑い」が強い事例まで含めると、平成29年は1,768件、平成30年は1,383件にもなり、平成27年には1か月に470件もの住宅が放火されたとの報告もあります。
また、放火の他にもタバコの不法投棄、プロパンガスのガス漏れ、電気設備の故障などから出火した事例が見受けられるため注意が必要です。
過去の空き家の放火事例
参考例としては、2017年には埼玉県で誰も住んでいない家から出火するという事件や、2018年には空き家から出火したもらい火のために、周辺の住宅まで被害を受ける事件が発生しています。
隣接する住宅にまで延焼する可能性がありますので、どなたも住んでいない実家などをお持ちの方は、何らかの対策を考えてみるべきです。
空き家を火災から守る対策とは
放火犯に狙われる家は「人気がないこと」がもっとも大きな原因とされていますので、以下に記載している対策をして、火災から大切な住まいを守りましょう。
セキュリティ管理を強化する
門扉が付いていない場合には施錠できる門を付けたり、玄関の戸締りを2重にして第三者の侵入を防ぐことが大切です。
家の周りに外灯を設置する
外灯がなく人気を感じられない時には、照明を設置して明るさを出すことで、人が住んでいる住宅のようにカモフラージュできます。
管理業者に管理を依頼する
たとえば、住まいと実家が離れている場合には、管理業者に見守ってもらうことも1つの対策方法です。
人目に付く場所に管理会社の看板を立てておくだけでも、放火のリスクを減らせると言われています。
可燃ごみを置かない
家の周りにごみを置いたり、乾燥した落ち葉などがあると、放火魔のターゲットになりやすいため、住居の周囲を衛生的にしておくことが大切です。
放火に遭ってもっとも危惧しなければならないことが、保有する不動産が出火元になり、隣家が延焼してしまうことです。
そのような騒ぎになってしまうと、出火元となった家の持ち主が責任を問われますので、火災保険に加入するか、この機会に売却を検討なさったほうが良いでしょう。